金物工法
住宅ジャーナル編金物工法ハンドブック
2006年2月刊 定価2600円
日本の木造中悪の建築工法は、この30年ほどの間に大きく変化した。最も大きく変わったのは、大工さんの頭の中にしか架構技術がCAD化されて、コンピューターによる図面作成、自動加工機械による木材の加工=プレカットが、ここ10年ほどの間に急速に普及し市場の9割に達したことである。
しかし、現状を見るとプレカットの使用が現場の合理化に大きく寄与してきたとは必ずしも言えない。木材を手で刻んでいたものが、ほとんど機械加工に変わったが合理化されたのは
伝統的な仕口の加工が手工業から機械加工にされただけである。
その中で、着実に木造住宅の新しい工法として認知されてきているのが金物工法である。金物工法は、柱・梁などを接合するのに金物を使って組み立てていく方法である。アリ・カマなどの伝統的な仕口加工をせず、木材の端部等に金物を取り付け接合するものである。基本的に大工の伝統的な知識や技術に依存しない工法である。その簡便な加工・施工性・精度・性能・耐震性などが認められて普及が進んでいる。現在、金物メーカーの出荷ベースで見ると木造住宅の十数%のシェアを持つまでになった。
本書では金物工法を取り巻くさまざまなテーマを取り上げ詳しく解説するとともに、金物工法に初めて取り組むビルダーや工務店の方々に金物工法とはどんなものかを理解してもらい、またすぐ使えるオープン金物工法について、その特徴・性能について紹介している。また金物工法を使う側だけでなく、新たに金物工法に取り組むプレカット工場の方々にも役立つ内容とした。木造軸組工法の構造性能などが厳しく問われる時代の新たな造住宅・建築のスタンダード工法として取り組んでいただきたい。
住宅ジャーナル 編集部