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                    住宅ジャ−ナル2006年5月号記事
特集 無機質系高性能耐力面材

高壁倍率を武器に市場へ普及 高性能化で内外壁の主材化目指す

                   

主要項目

ダイライト 大建工業

モイス  三菱商事建材

かべ震化 エーアンドエーマテリアル

タイガーグラスロック 吉野石膏

ビルダーの声 潟nセベ


各社の無機質系高性能耐力面材の特徴(性能一覧表)

 阪神大震災以降、日本の住宅は耐震強度の向上に邁進してきたが、木造宅では、構造に対する関心が高まるとともに、これまで耐震性能の要として使われてきた筋交い構造の信頼性が揺らいできた。「筋交い取付の不備」、「大きな地震力では筋交いが効く前に接合部の釘やビスが外れてしまう」、「樹種などによっては所定の耐力を発揮しない」などといったことが指摘されてきた。
 そこに登場したのが筋交いの代わりに面材をつかった耐力壁である。こちらは施工も簡単であり、また外壁の下地としても安定性があり、また断熱材との組み合わせもよく、高性能をうたう住宅などに一挙に普及した。そのトップを切ったのが合板、OSB、MDFなどの木質系の耐力面材であった。これに対抗して登場したのが大建工業のダイライトをはじめとする無機系の耐力面材だ。
 無機系の面材は、強度、不燃性、透湿性などで木質系の面材にない優れた
性能を持っており、単独で高い壁倍率が実現できる製品だ。そのほかにも各社独自の性能を付加しており、木質面材とは一線を画す多機能な耐力面材として、特徴ある住宅づくりの要として使われることも多くなってきた。今、最も注目を集める住宅素材の一つだ。最近では、品確法の普及や度重なる巨大地震の発生で住宅の耐震強化はますます進む勢いであり、簡単に高壁倍率が求められるこうした無機系の耐力面材のニーズが一段と高まってきている。
 無機系高性能耐力面材のトップは10年前に登場したダイライトだが、こうした市場ニーズの高まりのなかで、ここ数年の間に三菱商事建材のモイスを始め次々と無機系の高性能耐力面材が登場。圧倒的シェアを持つダイライトに対して、耐衝撃性、釘持ちなどの欠点の改良をすすめるなど、各社は無機系面材の欠点解消を目指して優れた製品を次々に市場に送り込み、シェア獲得と市場拡大に取り組んでいる。そこで、大建工業、三菱商事建材、エーアンドエーマテリアル、吉野石膏、ニチハ各社の特色ある無機系高性能耐力面材の製品の現状、今後の展開、製品開発の方向などを紹介。無機系高性能耐力面材の今後の普及を占つてみた。
 まず耐力面材市場の全体像はどうなっているのかを見てみる。現在、木造住宅耐力壁の構造は、筋交いと面材がそれぞれ半々になってきているといわれる。そして、その面材のうち6割が合板などの木質系の面材であり、残りが無機系の面材であるという。現在各社の生産量は大建工業が月間140万全m(耐力面材の利用はその7〜8割)でダントツのトップ。次いでモイスの10万mで、あとは5万全mを目標にしているが、発売間もないこともあり実際はその半分程度のようで、シェアの獲得はこれからだ。
 市場全体では木造戸建住宅の外壁量は、一般的に1戸当たり200uで計算されるが面材が40万戸の5割に使われていると計算しても最大4000万uの市場で、そのうち現在無機系は1600万u。現在はダイライトが9割以上のシェアとなつているが、今後各社の製品展開でどこまで無機系の市場を拡大できるかだ。
 そのためには、高耐力壁としての性能を有しているので、一部使いでも充分対応できるわけで、そうした分野への積極的な展開も一つの方向だ。メーカーでは防耐火性能があるので、1棟全面採用ということを狙っているが、仕上げをどうするかという施工面の問題、またコスト的な問題ではまだ充分対応できていない面があるようだ。
 各社の製品作りの傾向を見ると、何れも耐力面材としての高い強度性能+防耐火性能を基本としているが、素材の性質、他の自社製品との関連などから3つの方向に分かれている。全面使いいを展開する防耐火系の外装系と、部分使いでコスト削減、高壁倍率の実現を図ろうという内壁派、その両方に使っていこうという折衷派だ。
 これらの耐力面材の施工の特徴としては木質系でも無機系でも、面材を躯体に留める釘やビスの保持力が、その耐力面材の壁倍率を保障しているといっていいくらい重要だが、この点でも各社各様の特徴ある対応をしている。
特に施工上の問題では、ダイライトや吉野石膏では、床勝ち施工の場合でも壁倍率が確保できる事が大きな特徴だ。一般的に指摘される問題は床先行の場合の下端の向田めつけ方だ。通常は土台と直接接合しなければならないので、内壁での耐力面材の使用は一般的に高い壁倍率は難しい。両社はそうした施工上の問題を上手く解決している。外装系でも仕上げをどうするかが問題である。現在のところ塗り壁仕様に対応しているところは少なY、今後の製品開発が待たれるところだ。耐力面材と外装仕上げ材の一体化を志向する方向もあるが、露出する釘頭の処理、目地処理などをどうするかというテーマもある。省資源、省施工という大きなメリットがあるので今後の開発
が待たれる。





 
ダイライト     大建工業
月間140万2mのダントツシェア
リフォームかべ大将〃 の展開も




 大建工業のダイライトは無機系の高性能面材として発売から満10年を迎えた。当初から木造住宅の耐力面材として期待された製品だが、現在では生産量が月間140万2mになつた。無機系の耐力面材の中で7〜8割のシェアを獲得するまでになつた。発売開始から数年前までは、ダイライトは無機系の耐力面材として市場で唯一の製品だったこともあり、素材・性能の認知、製ダイライトの施工例品の普及では様々な苦労があった。しかし製品を使用した住宅が10年間の累計で、40万棟という実績をもつまでに成長。ダイライトは木造住宅の中に、初めて無機系の耐力面材を持ち込み、新たな面材市場を創造してきたのだ。
 大普及を遂げたのは、ここ3、4年のことであり、「月間100万2mを越えたのもその頃」と同社の田中樽見・
ダイライト営業推進室長は語る。理由は、品確法の普及で木造住宅でも耐震性や躯体強度などの性能競争が厳しくなり、地域の有力ビルダーが高性能な商品作りのために相次いで採用をはじめたからだ。ダイライトユーザー層を見ると地域の量産ビルダーが全体の6割近くを占めている。「高性能住宅づくりのため、筋交いの替わりにダイライトを使うことが一般化しっつある」と田中室長は工務店の意識を分析している。
 ダイライト製品は外壁用のMSと内装下地用のMKを中心に、最近は塗り壁仕様のMSDを商品化している。この他に薄物(キッチンパネル、化粧版関係など)を生産している。生産量では、全体の7〜8割程度が耐力面材としての用途であり、そのうち外壁用のMSが8割、内装用のMKが2割という使われ方である。塗り壁仕様のMSDは月間5万山ほど。キッチンパネルなどの薄物基材製品が月間15万d。無機系の製品が他社から次々と発売され追われる立場となった。同社では順次製品の性能向上を進めるとともに、取扱い方や施工の指導徹底を一層進めていく。他社との比較では「透湿性に優れることで、住宅の耐震性能を維持する。また重量が軽いというのが大きなメリット」と説明する。トップシェアをもち多くのユーザーを抱える製品としての自負から、現場で取り扱いやすい施工性の良さは今後も支持されると見ているようだ。
 今後の展開では、筋交いから代替需要を一層進めて耐力面材のよさを浸透させるとともに、薄物市場での製品開発も積極的に進める考えだ。また耐震関係では昨年から耐震改修商品としてダイライトを使った「かべ大将」を発売。月間1000棟を目標にしている。国の強力な後押しがある市場であり、同社では耐震改修の啓蒙から耐震診断まで一連のサービスを構築中で、これまで以上の強力な展開を目指している。また昨年からダイライトMSを外壁下地に全面採用した木造住宅がセコム損害保険の火災保険で「C構造耐火性能割引」が適用され保険料が安くなった。「工務店メリットだけでなく、施主のメリットも強調できるようになった」としており、今後はかべ大将などとともに消費者に直接訴えられるダイライトを目指しているようだ。

ダイライトの公式ページはこちら⇒

三菱商事建材
3倍増の販売目指し積極展開
マルチ建材の良さ訴え一般のファンづくり

 


 三菱商事建材のモイスは03年に発売されたが、トステムと販売業務提携を締結し昨年4月から両社ルートでの販売がスタート。本格的な市場展開が始まった。販売開始から3年が経過し昨年は年間50万2mを販売。最近では月間5万uのラインに入ってきた
 モイスは耐震・不燃・断熱・施工性・リサイクル性などマルチな性能を開発テーマとして作られた次世代建材だ。自ら「他社より優れた性能」をPRし市場への浸透をはかってきた。特に素材の特性として柔軟性、粘り強さにあり、釘やビスの保持力は自慢の性能である。また強度や防耐火性に加えて、吸放湿性も特徴であり、その性能を生かし内装仕上げ材としてそのまま使える意匠性も注目されている。同社の言うところの 「マルチ性能、次世代建材」とは、こうした構造部材や下地材や仕上げ材という従来の建材の分類をなくし、一つの建材で済ませることの出来る材料にし、材料の減量、省施工を進めようという考えだ。「モイスを使えばサイディングも石膏ボードも必要なくなる」と同社モイス事業部の塩地博文事業統括リーダーは説明する。現在モイスを使った耐力壁の防耐火認定を取得しているのは外装材としてサイディングを必要としているが、現在サイディングの必要のない防火構造を申請中だ。
 製品は6皿厚と9・5皿厚の2つで、それぞれ素地と塗装品がある。6m厚製品は主に非耐力壁等の内装用で、9・5m口mが耐力壁用である。性能は別表の通り優れたものであるが、欠点は多少重いことと吸水性があるので外装材としては不向きな点である。そのため外装用途では耐水性を高めるなどの性能アップを進めている。しかし「内外装2系列にすると我々の主張である次世代建材という考え方からずれる」と塩地リーダーは、単独製品でマルチ性能な建材という展開にこだわりを見せる。
  後発の有力商品として、同社の販売戦略はB−OBだけでなく、一般消費者に向かったB−OCの展開に非常に積極的である。同社ではダイライト工法やその工務店会というような展開をしてこなかった。その辺で工務店への普及に遅れたようだが、逆に消費者への展開は非常に積極的だ。「施主への認知を高めるほうが近道」と塩地リーダーは語る。この4月にはユーザー工務店や有識者、住まいに関心の高いNPOなどを巻き込んで 「あたり前の家がなぜつくれないのか?」という本を出版、一般消費者のファン作り作戦を展開中だ。ただ今後は、ユーザー工務店の組織化の意向もあるようだ。
 販売展開では、トステムと販売提携で100棟前後の地域ビルダーへのサポート体制も整った。三菱商事建材では、パワービルダー、ピル物件など大口需要家へ営業を展開していくようだ。現状の生産能力を今後増強し、「量産効果で価格も先発メーカー製品と競争できるようになつた」として、今年度は前年の3倍増の年間150万壬mの販売を見込んでおり、今まで以上に積極的な展開を進めている。

モイスの公式サイトはこちら⇒


かべ震火 エーアンドエーマテリアル
3・5倍の高壁倍率を実現
ラインナップ充実でユーザー増強へ
モイスの一般消費者のファンづくりの本



 エーアンドエーマテリアルの開発した耐力商材のドリームボード「かべ震火」は、壁倍率3・5倍の強さ、素材の粘り強さ、耐衝撃性の高さ、、透湿抵抗の低さ、吸放湿性がある等、無機系耐力面材の中では後発であるものの、それゆえ他社製品に負けないセールスポイントを持っている。「無機建材と木質建材のよさを持っているのが特色だ」と同社の建材事業部第一製品営業部・グループサブリーダーの米倉敏博氏は説明する。製品は、同社の住宅向け素材として4、5年前から開発を進め、昨年8月から首都圏で販売、今年1月から全国展開がスタートした。
 製品のプロフィールは別表の通りだが3・5倍という高壁倍率の性能と、ノコギリや穴あけが木質建材と同じように出来るという加工性などがうけてビルダー、工務店、設計事務所の反応も非常に高い。ただ発売間もないこともあり、製品サイズや防火構造認定が不十分なため、市場の要求に対応しきれず、一実績としてはまだ目標までは達成していないという。910×2850mmサイズの板では土台から胴差まで届かないという躯体もあり、ビルダーの採用が進まないケースもあるとのこと。「サイズがないとか、認定仕様などが対応できないために不採用にならないように今期中に進めている」と米倉氏は語る。同社では7月から.3×10板などを出す予定で、順次ユーザーの要望に応えて製品を充実していく方向だ。認定関係においても、充填断熱材と組み合わせた防火構造の認定の取得を9月頃に予定、又塗り壁仕上げ対応として、直接面材に軽量モルタルや弾性塗材等を施工できる新仕様の製品なども開発中で年内に発売の見込み。
 現在の販売量は全国発売して間もないため、まだ当面の目標の月間5万2mには達していないようだが、販売展開では大口需要の催宅FCなどへの展開をはじめ、木建ルートを通じて全国どこでも入手できるような流通体制を整えている。「当社は今まで非住宅向けに展開を進めてきたが、今後は住宅向けの商品を充実させ、木建ルートを中心に販売店段階まできめ細かく営業を進めていく方針」と米倉氏は積極的なルート展開を語る。そのため4月から住宅建材専任部署を、東京、名古屋、大阪に組織したとのこと。またビルダーヘの展開でも正式採用が既に何社かあり、こうした量の確保できるビルダーでの採用については、価格的な対応なども含め積極的に進めたい意向だ。
 今後の展開では、現在の1棟単位の新築での対応から、リフォームによる耐震補強製品としての販売や、また素材としては木質面材と同じように使える性質があるため、パネルへの展開も今後のテーマとして考えられているとのことだ。

「かべ震化」のサイトはこちら⇒


 
  タイガーブラスロック 吉野石膏
石膏ボードとの併用、内壁の部分使いOK   リフォーム使いでも使い易い製品
タイガーブラスロック、左が壁倍率2.9の施エ、右が上下すき間仕様で壁倍率2.0



   
かべ耐火の施工例

 吉野石膏のタイガーグラスロックは、ボード用原紙を使わずに石膏板の表層近くにグラスファイバーメッシュを伏せ込んで補強した特殊石膏板で、イギリスの技術を導入した製品だ。イギリスでは主に耐火被覆材として実績のあるものであるが、同社では製品の物性・強度が従来の石膏ボードに比べ優れていることから、同社では石膏ボード製品の新たな機能製品として、耐力面材の用途開発を行ってきたものだ。04年に12・5皿厚の製品を使い壁倍率2・9の認定を取得、昨年6月には他の仕様でも認定を取得したことなどで、本格的な耐力面材市場への取り組みをスタートさせた。「タイガーグラスロックの日本での新たなニーズだ。耐力面材の機能に加え不燃性、リサイクル性がある商品だ。市場拡大のためには我々も新たな分野に進出しないといけない」と商品開発部の松本敏夫常務取締役は説明、期待の商品だと語る。タイガーグラスロックは石膏という素材の性質上、使用部位は内壁のみであり、一般の石膏ボードとの併用で高い壁倍率を確保することが簡単に出来るのが大きな特徴だ。しかしそうしたメリットの反面、耐力面材の内壁での施工では様々な問題がある。一般的に指摘されるのは床先行の場合の下端の留めつけ方だ。そうした場合、通常は土台と直接接合できず高い壁倍率の確保はムリだが、同社では受材を使った接合で壁倍率2・6と比較的高い認定を取得。一般の石膏ボードとの併用でも連続的に使えるような施工性を持っている。
 また入隅の場合にどう2方向の耐力を確保するか、またスイッチボックス、換気ダクト等の穴あけ箇所、大きさはどこまで有効かなどというのも施工現場では大きな問題。実際に不適切な対応があれば耐力低下を招く。そこで同社では「東京大学の坂本研究室と一緒にこれらの問題を解明しオーソライズした」と粉本常務は語る。内壁であるので、納まりや穴あけ部位に対する細かな配慮が必要となるが、それらのことは認定等の壁仕様では明確に認定されていない項目であり、メーカーとしてしっかり根拠をもって対応するとしている。「耐力性能について品質保証制度を実現するためのキメの細かな対応が可能」と自信を示す。
 販売戦略としては、「少ない枚数の使用で木造住宅を耐震等級3にできる」とPRするように、内壁での耐力面材としての部分使いを狙っている。その分だけコスト的にも優位というわけだ。またリフォーム対応でも、「一般建材として石膏ボードは使われているので、そのままの感覚で耐震補強ができる」としており、特別な製品を使わなくても普通の施工で耐震強度アップになる点が有利だという。
 現在タイガーグラスロックの生産は、6皿厚製品が主体であり、これは耐火壁用の面材として使われている。6m+12mで1時間耐火の認定を受けており量的にはこちらのほうが出ているとのこと。同社では昨年から、耐震偽装問題などで木造住宅でも建物強度への関心が高まってきているので、本格的な市場開拓を進める意向だ。

タイガーグラスロックのサイトはこちら⇒

無機系高性能面材  ビルダーの声

高倍率壁の多用は無理生じる もっと活かしてほしい無機の特性

            東京で木造三階建を展開するする潟nセベの顧問吉田仁海氏

 無機系の耐力面材のもつ高い透湿性には以前から興味をもっている。合板では透湿抵抗が高く壁体内結露を防ぐためには現場施工に細心の注意を要する。耐火性は耐震性と同じくらい重要な壁性能であるが、無機面材の折角の耐火性能を生かした工法の開発普及が望まれる。寸法安定性、耐腐蝕性、防犠牲なども木質面材より優れている。耐震性能は木質系に較べ靭性において劣る点を指摘する人も居る。しかし、それは木質系のものに較べての話であり、壁倍率の認定を取得したものであれば、試験方法も評価法も決められていて、それには降伏耐力、終局耐力も
含められているのであるから、あえて終局変形特性を木質系のものと比較する必要はないかも知れない。
 現在の住宅は雑壁の効用で耐震性に十分な余力がある。従って、今、あえて高倍率を求める必要はなく、構造用合板の壁倍率2・5倍ぐらいがちょうどよいのではないか。筋交いの場合と異なって、面材の.場合は準耐力壁も耐震強度に大きく寄与してくるので、耐力面材の性能の重要性はいくら強調してもしすぎることはないが、高倍率壁の多用により、あまり応力を集中させる設計は引き抜きや偏心に特別の工夫が必要になり、無理が生じることもある。
 それはともかく、無機面材の一番の問題は価格である。性能の向上がその
ままコストアップになるのであれば、その材料の普及には長い時間と膨大なPR費用が必要となろう。無機系耐力面材の特性を生かすために、雑壁′・準耐力壁を含めた他の躯体材料の性能を整理し、それらにない組み合わせや工法を工夫すれば、コスト高を吸収する方法はあろう。
木質系にない多彩な性能があるのだから、将来の可能性は大きいはずである。工法の開発普及では敬服に催する努力を行っているメーカーもあり、その努力は実を結びつつ為ると
聞く。
 今後、各メーカーによる強度特性やその他の性能につ小ての詳しい情報の公開を望む。また、無機系面材を使用したバランスのよい効率的な工法の開発をメーカー各社に望みた
い。無機系面材の普及がコストアップにならない住宅性能の向上に大いに寄与してくれることを期待する。


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