ラスカット+MDF耐力面材ハイベストウッド モルタル下地材としてのMDF耐力面材
「ラスカットM」 ノダ すまいの総合建材メーカーである潟mダ(東京都台東区)では、モルタル下地機能を備えた耐力面材「ラスカットM」を06年4月から発売している。ラスカットMは、同社が約30年前に開発した、耐力面材機能を備えたモルタル下地合板「ラスカット」と、平成10年に開発したMDF耐力面材「ハイベストウッド」を組み合わせたものだ。MDFを基材とし耐力を維持(壁倍率4倍)、表面に特殊セメント凹凸層を形成することでモルタル下地機能を付加、従来のモルタル施工工程を大幅に省き湿式壁に対応できる。乾式壁から湿式壁へと流行が移り変わる時勢を味方につけ、ラスカットMは分譲系ビルダーも多く採用し、急激な伸びを見せている。
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ラスカットMは、「ラスカット」と「構造用ハイベストウッド(構造用MDF)」を組み合わせたものだ。ラスカットとは、大きく@高耐久(壁倍率4、0)、A工期短縮、B防火、Cモルタル通気工法が簡単、Dモルタル工法が可能、の特徴を持つ。 またハイベストウッドは、@木材資源を有効利用、A高耐水性MDFを使用、Bシロアリ・腐朽菌への抵抗力、CF☆☆☆☆商品、D構造用MDFとして壁倍率4,0、の特徴を持つ。 そしてこの2つを元にしたラスカットMは以上2製品の機能を併せ持つ。 ラスカットMの表面は同社独自技術の特殊セメント凹凸層を設けることで、モルタルを直接接着させることができる。表面性のよいMDFを基材としたことで、特殊セメントの凹凸層の強度とモルタル密着度を向上。凹凸層の下には表面特殊防水皮膜、ラスカットMの裏面にも防水皮膜を施し防水機能も向上させている。 また壁倍率は単体で2.8(通気工法)・2.5(直張工法)または4.0だが、筋かいや内装側の面材耐力壁との併用で最大5.0まで壁倍率の加算が認められている。
また、ラスカットMは工期短縮にも大きく貢献する。ラス工法通気仕様の@下板張り、A防水紙張り、Bラス網張り、Cモルタル下塗り、までの工程を@ラスカットM張り、A目地処理で兼ねている。工程数・工期・人工の削減を促すものとなる。
またラスカットMの最大の特徴とも言えるのが、モルタル下地材の兼用である。
従来のモルタル工法は、モルタル層がタッカーステープルで躯体部分(木ずり)に留められている。そのためステープルの長さやピッチが不適切であったり錆びている場合、大きな揺れを受けると抜けや破損を生じモルタル層が割れ、落下する原因ともなる。
これに対し、ラスカットMモルタル工法は、柱、通気受材、ラスカットM、モルタル層が密着し、壁面として一体化している。よって揺れを受けてもモルタル層が落下しにくくなっている。
この「面材にモルタルを直接接着させて一体化させる」ことが、約30年前に同社が行ったラスカット開発時の最大のテーマであった。 現在、再び湿式壁へのニーズが盛り返している。そこに加え、環境対策の必要性(ハイベストウッドにおける木材利用等)や高耐久住宅への市場ニーズを盛り込むために開発したのがラスカットMである。 このラスカットMはモルタル下地材として簡単施工が可能なため、サイディング外壁仕様を基本とする耐力面材との差別化が可能だ。「乾式系の耐力面材企業もモルタル仕様に目を光らせている」と同社では見る。構造用基材のMDFは存在するが、そこにモルタル下地機能を備えた製品は存在しない。 市場ニーズを敏感に読み取り、時代に適した製品開発が可能なのは、同社の100年に亘る建材メーカーとしての土台があってのものでもある。
潟mダ 東京都台東区浅草橋5-13-6 TEL.03-5687-6222
発売10年、累計40万棟の採用実績 無機系耐力面材のトップブランド ダイライト 大建工業大建工業梶i大阪市北区)の耐力面材ダイライトは、昨年累計約40万棟の供給を果たし、現在はほぼ工場フル生産の100万u/月を出荷。自他共に認める無機系耐力面材のパイオニアであるダイライトだが、その優位性の一つとして「合板と変わらない基材の軽さ」にあると同社は指摘する。1棟に何十枚と面材を取り扱う大工にとっては、その重量は大きなポイントとなるからだ。 また、優れた透湿性能により壁内結露を防止し、住宅を長持ちさせる点も大きなメリットであると強調する。つまり、壁内結露を防止し壁の中を常に乾いた状態に保つことで、腐れやシロアリ被害などからくる構造体の劣化を防ぐというわけだ。同社は、単に強度だけを比べて論議するのではなく、木造住宅の耐久性と安全性を数段高めた進化した耐震を提案していきたいとしている。
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同社では、矢野経済研究所などのデータから、戸建木造軸組住宅の新設着工における耐力面材全体とダイライトのシェアを分析しており、耐力面材については約40%、その耐力面材の約60%が合板で30%をダイライトが占めると見ている。つまり、10棟に約1棟がダイライトを採用しているというわけだ。 さらに、耐震や防耐火に対するニーズの高まり、そして住宅の高断熱・高気密化の流れから、2010年には新築の60〜70%を耐力面材が占めるだろうと予測。今後も、耐力面材はまだまだ伸びる市場であると見る。 そこでさらなる普及拡大のため現在同社が進めているのが、ダイライトに制震効果を付加した新たなシステムの開発だ。かたさで耐える“耐震”と、しなやかに耐える“制震”の2つの機能をラインアップし、『しなやかで強い住宅』という一歩進んだ安心を提案することで、無機系耐力面材のパイオニアとしての存在感を大いに示していきたいとしている。 また同社は、ダイライトを基材とする化粧板の開発にも積極的に取り組んでおり、不燃化粧壁材「プレミアート」や新製品の調湿壁材「さらりあ〜と」など、ダイライトの防耐火性や軽量といった特性を活かした用途展開を図っている。こうした二次化粧板なども含めたダイライトトータルの生産量は、月間140万uにのぼる。 そんな中、同社が現在注力しているのが、ダイライトを活用した耐震改修向けキット製品「かべ大将」である。「かべ大将」の特長は、既存の床・天井を壊したり、取り外したりすることなく、床上から天井までの内壁部分をパネルで補強するだけの簡単・省施工を実現したこと。これにより従来と比べ、半分〜1/3程度のコストで耐震改修を可能とした。 また、壁倍率「2.3倍」の国土交通大臣認定と、耐震改修時に用いる「壁強さ倍率」も取得。耐震改修をよりスムーズに行うことができ、耐震改修の普及に取り組む自治体からも高い評価を受けている。
ダイライト開発経緯
耐力面材だけにとどまらず、壁材や天井材などの基材として、大建工業が供給する様々な建材に展開されているダイライト。このダイライトは、インシュレーションボードとロックウール吸音板の製造で培ってきた同社の製板技術と、火山性ガラス質材料(火山灰)から中空で非常に軽い“シラスバルーン”を製造する新たな技術を融合させることで誕生した、全く新しい無機質エンジニアリングパネルである。 ダイライトの最大の特長は、それまでの無機質パネルでは有り得なかった“軽量でありながら強度が高い”こと。これを実現するために同社が選んだ方法が3層構造だ。つまり、表層・裏層はロックウールを採用することで強度を持たせ、中層は火山性ガラス質材料を採用することで軽量化を実現させたというわけだ。 『透湿性に優れ、軽量でありながら高強度の無機質パネル』という開発コンセプトは、1974年、シージングボードが耐力面材に指定されて以降、住宅の耐震性を向上させる手段として、透湿性の高い耐力面材の普及に取り組んできた同社だからこそ生まれたものであると言える。これに、同社の製板技術が結びついて開発されたものがダイライトなのである。
大建工業 大阪市北区堂島1-6-20 TEL.06-6452-6000
防腐防蟻性能に富み地球にも優しいMDF耐力壁 構造用スターウッド ホクシン株式会社 MDF初の構造用耐力壁として平成7年に発売されたスターウッド。各種認定・性能試験を経て、現在では枠組壁工法、木造軸組構法、軸組大壁、真壁など木造住宅の様々な仕様で使える耐力壁下地として普及しており、合板の価格高騰の中で出荷量を伸ばしている。
胴縁材には15mm〜21mm。狭小地木造、3階建てや大開口部向けには壁倍率4・0倍の高倍率タイプのスターウッド9mmを勧めている。 今春には軸組大壁仕様で2・9倍、軸組大壁床勝ちで2・7倍、軸組真壁および真壁床勝ちで2・7倍、さらに枠組壁工法9mmで3・6倍など新たにツーバイフォーでの用途も開けてきた。 シロアリの食害による質量減少率はスギ辺材23%に対して、薬剤処理済みの「構造用スターウッドD」は2%。薬剤処理なしの構造用スターウッドでも5%と高い防腐防蟻性能を有する。構造用スターウッドDは日本木材保存協会より「優良保存処理木材」の認定を受けている。 透湿抵抗値は合板の約8分の1。屋外暴露による物性変化では10年の屋外放置試験の結果、曲げ強さ、はく離強さにおいて合板をしのぐ高い耐久性を実証。 またホルマリン放出量区分では全量F☆☆☆☆でシックハウス対応。未利用木材、小径木を原料とするMDFなので環境にも優しい。またホクシンではMDFからMDFへのリサイクルにも取り組んでいる。 生産量は月産ベースで1500?。価格は3×9尺サイズで約1880円、3×10尺サイズで約2145円。
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