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2024/3/2
九州地方をメイン会場に第32回技能グランプリを開催
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2022/11
第60回技能五輪全国大会を開催 / 厚生労働省、中央職業能力開発協会




〔PDF版〕

技能五輪

 厚生労働省及び中央職業能力開発協会の主催による第60回技能五輪全国大会が11月4日から7日までの4日間、千葉県千葉市美浜区の幕張メッセを主会場として開催された。

 技能五輪全国大会は国内の青年技能者の技能レベルを競うことによって、青年技能者に努力目標を与えると共に、一般の人々が技能に触れる機会を提供することによって技能尊重の気運の醸成を図ることを目的として毎年開催されている。今大会の競技職種は42種類。参加選手は合計で1014名。各競技の優勝者(金賞受賞者)には厚生労働大臣賞が授与される。また、一部の競技種目は2年後の2024年9月にフランスのリヨン市で開催される技能五輪全国大会における日本代表選手の選考も兼ねている。建築関係の職種は幕張メッセを会場とし、実技の競技は11月5日と6日の2日間で実施。ここでは木工建築関係の職種の競技に焦点を当ててレポートする。

■建築大工

 建築大工の競技には56名の選手が出場。今大会の全職種ではメカトロニクスの82名に次いで2番目の参加者数となった。競技課題は「柱建て小屋組」であり、脚付きの台形の土台を基本とし、その上に桁組を柱にして屋根と小屋筋交いを組み込む内容となっている。基準となる柱の高さは競技前日に公表されるため、出場選手は競技会場での応用力も試されることになる。作業時間は2日間の競技で合計12時間。作業順序は現寸図の作成、部材の木削り、墨付け、加工仕上げ、組み立ての順番で行う。この際、現寸図と墨付けは作業終了時に提出して検査を受ける。

 部材の加工は手加工による。見え掛かりとなる木口は全て鉋仕上げとして、接合部を除いて糸面取りにする。持参する工具は課題の製作に必要となる手工具であれば、原則として種類も数量も自由。ただし、治具や作業台に取り付けて使用する工具やクランプ類は禁止となる。出場選手は制限時間内に課題作成に取り組み、指定された条件の下で競技に挑んだ。建築大工競技の上位入賞者は次の通り。

金賞(厚生労働大臣賞):堀口響生(千葉県・住友林業建築技術専門校)
銀賞:浦山正宇(千葉県・住友林業ホームエンジニアリング㈱千葉事業部)、西郷維吹(千葉県・住友林業建築技術専門校)、正野広一(山形県・㈱ウンノハウス)
銅賞:小堺奨栄(埼玉県・ものつくり大学技術工芸学部建築学科)、松村拓夢(埼玉県・ものつくり大学技術工芸学部建築学科)、今西由弥(千葉県・住友林業建築技術専門校)
敢闘賞:田中帝志(埼玉県・ポラスハウジング協同組合)、平田翔太(千葉県・住友林業建築技術専門校)、松岡慎之介(千葉県・住友林業ホームエンジニアリング㈱千葉事業部)、布谷充(埼玉県・ポラスハウジング協同組合)、工藤恵大(岩手県・㈲杢創舎)、橋田晃輝(千葉県・住友林業建築技術専門校)、新関将(山形県・㈱大沼建築)

■建具

 建具競技の課題はR桟を取り入れた木製のフレーム。本来の建具を意図した課題とは異なるが、これは技能五輪世界大会の課題を意識したものとなっている。最初に原寸図を支給された合板に描き、原寸図に基づいて部材を手道具や電動工具で加工。R桟の加工や角度の付いた斜め桟胴付きの加工は難易度も高く、数ミリ単位の加工を正確に行わなければならない。競技時間は2日間合計で12時間。採点項目は寸法精度、加工における内部と外部の接合、仕上がり及び外観、原寸図の製図、時間と作業内容などであり、満点100点からの原点制で判断される。

 建具競技の出場選手は10名。出場選手は各自に作業台が貸与され、基本的に作業台での作業となる。鋸、鑿、胴付き鋸などの手道具、ルーターやトリマーなどの電動工具は持参となるが、ホゾ穴加工用の角鑿盤、材料切断用の卓上スライド丸鋸は会場内に2台設置され、出場選手は交代で使用する。課題は一部を除き、手道具や電動工具を用いた手加工による作業であるため、正確な加工と使用する道具の選択、作業の手順などを考えながら時間内での完成を目指す。今回は前回大会に出場した選手も競技に参加しており、若年技能者ながらレベルの高い競技内容になった。建具競技の上位入賞者は次の通り。

金賞(厚生労働大臣賞):古谷竜也(北海道・㈲高橋加工部)
銀賞:佐々木友希(北海道・北海道立帯広高等技術専門学院)
銅賞:井本和花(愛知県・㈱指只)、綿引達也(茨城県・㈲石塚木工所)
敢闘賞:新村勇征(鹿児島県・山口建装㈱)

■家具

 家具競技には23名が出場。課題は脚部、箱部、蓋部、引き出し部から成る木製首収納家具。各部位共に形状や部材接合の方法の仕様変更があり、変更内容は競技開始前日に発表となる。競技時間は2日間合計で11時間。審査は接着前接ぎ手検査、接着後接ぎ手検査、完成品検査の3段階で行われる。接着前接ぎ手検査は各部位で、それぞれ単体で実施。検査では接合部の表面や内部の仕上がり具合を確認する。接着後接ぎ手検査も同様に各部位単位で実施し、接合部の接着の具合や接着剤のはみ出しの有無がチェックされる。

 競技会場内には横切り丸鋸盤、昇降丸鋸盤、角鑿盤などの加工機が数台設置されており、出場選手は交代で使用する。このため、選手は機械工作の順番なども考慮しながらの作業となり、課題の製作手順も競技における重要な要素になる。なお、脚部の3枚接ぎ、引き出し部の仕口加工は手加工が必須とされ、木材加工の技量が問われる箇所となる。家具競技における上位入賞者は次の通り。

金賞(厚生労働大臣賞):石橋葵(山形県・㈱天童木工)
銀賞:稲原匠(岐阜県・飛騨産業㈱)、岡砂奈江(島根県・㈱装備)
銅賞:横谷辰也(岐阜県・飛騨産業㈱)、伊藤亮祐(東京都・清水建設㈱東京木工場)
敢闘賞:小亀弦(北海道・㈱ガージーカームワークス)、田中基貴(島根県・㈱装備)、桐山実久(埼玉県・ものつくり大学建設学科)、中川仁(北海道・㈲杏和建具)、鳥井裕也(北海道・㈲高橋加工部)




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【詳細は住宅ジャーナル ウッドテクノロジー2023年1月号記事(12月15日発売号)掲載】






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admin: azalai-japon(アフリカ雑貨アザライ)